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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻12号

1976年12月発行

文献概要

診療手技のコツ

組織・細胞標本のつくりかた

著者: 金子仁1

所属機関: 1日医大老研基礎部

ページ範囲:P.1847 - P.1847

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 現在,病理標本を作るのは検査技師で,標本の診断をするのは病理医である.したがって,技師の"ウデ"と病理医の"メ"が対になって,はじめて適切な診断ができる.
 私はかつて,国立東京第一病院病理に勤務していた時,国立病院臨床病理共同研究班の病理幹事をしていた.私がとり上げたのは,病理の特殊染色である.東一病理で同一の未染色薄切標本を全国国立病院に送り,特殊染色を施して私の所へ送ってもらう.私がそれを1枚,1枚点検し,点数をつける.そうして技師に送り返す.このような研究方法で,技師の技術の向上を図っていた.この時私は,「病理の標本は芸術」だと感じた.同じ標本を同じ染色法で染めて,でき上がりは月とスッポンほど異なるのである.技師の"ウデ"の違いをまざまざと見せつけられた.下手な標本で病理の診断がつけられるか,こんな気持ちで,私は技師の教育に熱心になった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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