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文献概要
診療手技のコツ
組織・細胞標本のつくりかた
著者: 金子仁1
所属機関: 1日医大老研基礎部
ページ範囲:P.1847 - P.1847
文献購入ページに移動私はかつて,国立東京第一病院病理に勤務していた時,国立病院臨床病理共同研究班の病理幹事をしていた.私がとり上げたのは,病理の特殊染色である.東一病理で同一の未染色薄切標本を全国国立病院に送り,特殊染色を施して私の所へ送ってもらう.私がそれを1枚,1枚点検し,点数をつける.そうして技師に送り返す.このような研究方法で,技師の技術の向上を図っていた.この時私は,「病理の標本は芸術」だと感じた.同じ標本を同じ染色法で染めて,でき上がりは月とスッポンほど異なるのである.技師の"ウデ"の違いをまざまざと見せつけられた.下手な標本で病理の診断がつけられるか,こんな気持ちで,私は技師の教育に熱心になった.
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