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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻12号

1976年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 日常役立つ診療技術 診断篇 XIV.脈管造影法

2.冠動脈・左心室映画造影法

著者: 山口洋1

所属機関: 1虎の門病院循環器科

ページ範囲:P.1917 - P.1922

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原理と意義
 冠動脈および左心室に選択的に直接造影剤を注入して造影し,それらを映画に収め,活動している状態で病変を見定める方法である.すなわち,形態と機能を同時に把握し得る検査法であるため,冠動脈病変と左室心筋障害との関係を問題にする虚血性心疾患,あるいは心筋症の診断には最も優れた方法である.さらに僧帽弁膜症をはじめとする弁膜疾患の診断にも形態と機能の同時把握という点で,極めて精度の高い情報を提供する手段といえる.
 むろん,心電図,血清酵素値の分析による診断もかなり高度な水準に達してはいるが,これらの検査法が心筋に起こった変化を見ているものであるから,冠動脈病変の診断という意味では二次的あるいは間接的診断法といわざるを得ない.さらに心筋の二次的変化も冠動脈病変がある程度以上進行し,その内腔狭窄が質的にも量的にも一定限界を越えないと,たとえ運動負荷など誘発条件を加えても,心電図上の変化として現れてこないばかりか,しばしば狭窄病変が一定限界をはるかに越えた高度なものであるにもかかわらず,心電図上変化を示さないこともある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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