icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina13巻12号

1976年12月発行

臨時増刊特集 日常役立つ診療技術

治療篇

17.輸液—プラスマフェレーシス

著者: 鳥居有人1

所属機関: 1国立病院医療センター外科

ページ範囲:P.2051 - P.2053

文献概要

 プラスマフェレーシス(plasmapheresis)とは,1914年Abel, J. J1).らがはじめて使用した語で,血液の有形成分を元に戻して血漿だけを採取するとの意味である.彼らは動物から大量の血漿を採取する方法として発表したのであるが,第2次世界大戦で大量の血漿が必要となったため,この方法を人血に応用する考えをCo Tui2)らが1944年に発表した.しかし,当時の手技は極めて原始的なもので,ガラス瓶中に採血したものを遠沈し,血漿を抜き取るため,無菌操作の面で完全とはいえなかった.その後Plastic bagが輸血器具として用いられるようになってから,急速にplasmapheresis(以下P. Pと略す)が普及した.日本語としては血球返還採血という語旬が使われているし,血漿除去後,正常血漿を血球に混じて返還する作業をくり返すのをplasma exchange(交換血漿)と称している.
 もちろん本文は治療技術としてのP. Pについて述べるのが目的であるが,現在,P. Pが実際に行われているのは臨床より血液銀行業務として血液製剤の材料を調達するためである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら