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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻2号

1976年02月発行

文献概要

今月の主題 胆道疾患—診療の実際 胆のう炎・胆管炎の問題

急性化膿性閉塞性胆管炎

著者: 菅原克彦1 河野信博1

所属機関: 1東大第1外科

ページ範囲:P.208 - P.210

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はじめに
 胆道の良性疾患は外科ではありふれた疾患であり,手術療法が有効で術後の合併症も少なく,もちろん手術死亡は稀有といってよい現状である.しかしながら,二次的な胆管狭窄と急性化膿性胆管炎の2疾患は例外であり,前者は主として手術時の留意により避けられることが多く,後者は病態を知ることにより,早期かつ積極的な外科治療を行い得れば好成績が得られる.本稿では教室で経験した急性化膿性閉塞性胆管炎の臨床について述べる.
 1963年1月より1974年12月までめ12年間に教室で経験した胆道系疾患は835例で,そのうち良性疾患は667例,悪性疾患は168例である.これら症例のうち,臨床症状では腹痛,悪寒戦慄を伴う高熱,黄疸,さらに進行した際にショック,無尿,精神障害として嗜眠,指南力消失などがあるもの,理学的所見では上腹部に圧痛ないしは抵抗をふれるもの,さらに検査所見では白血球増多15,000以上,肝機能障害,血液培養で細菌陽性であり,感染源として胆道系疾患以外は考えられぬものの大部分の条件を満たす症例を,急性化膿性閉塞性胆管炎と定義し,11例を経験した.11症例の症状,検査所見を一括して図に示した.これら症例は男性9例,女性2例で,年齢は43歳から78歳に及び,平均年齢は59歳である.原因疾患は胆石症6例,悪性腫瘍5例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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