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今月の主題 胆道疾患—診療の実際 この病態をどう扱うか
Rokitansky-Aschoff洞
著者: 秋田八年1 久木元宏哉2
所属機関: 1鹿児島大第2内科 2鹿児島大外科第2病理
ページ範囲:P.236 - P.237
文献購入ページに移動Rokitansky-Aschoff洞を理解するためには胆嚢の正常の構造を知る必要がある.簡単に述べると胆嚢壁は4層に区分される.①mucosa,②muscularis,③perimuscularis,④serosaがそれで,消化管と比較して根本的に異なる点は粘膜筋板を欠くことである.粘膜面は一層の円柱上皮により被覆され,上皮下層の薄い結合織によって支持されている.粘膜上皮は上皮下層とともに内腔へ向けて多数の皺壁を形成し,肉眼的には微細な網目状を呈する.筋層は菲薄で縦,横,斜め方向へ走る筋線維より成る.perirnuscularisは粗な結合織で構成され,筋層に近い部分ではやや密に,漿膜に近い部分では粗に分布する.正常胆嚢壁の厚さは4層を合わせても1mm以下である.
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