icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina13巻2号

1976年02月発行

文献概要

小児と隣接領域

眼科

著者: 植村恭夫1

所属機関: 1慶大眼科

ページ範囲:P.286 - P.287

文献購入ページに移動
 小児,ことに乳幼児の時期は,視覚の発達の重要な時期である.視覚の発達には適切な視的環境(経験)が必要なことはいうまでもない.また,生体側の条件としては,①眼位が正常であること,②屈折状態が年齢に応じた状態であること,左右眼の屈折状態に差がないこと,③前眼部,中間透光体,眼底に異常がないこと,④視路,中枢に異常がないことなどが必要とされる.もしこれらに異常があると,この発達の期間に発見し,治療し得るものに対しては治療を行わないと,視覚は発達しないか,発達したとしてもはなはだ不完全なものとなる.すなわち,小児眼疾の中には,治療に対するcritical timeが厳格に要求されるものが多い点を小児診療の上では常に念頭におく必要がある.また,乳幼児期は,視覚の発達の障害に対する感受性の強い時期でもあり,不用意な処置が思わぬ結果を招くことがあることも知っておく必要がある.そこで今回は,乳幼児にしばしばみられる眼疾を中心に,これらの問題を述べてみることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?