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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻3号

1976年03月発行

文献概要

演習・X線診断学 消化管X線写真による読影のコツ・3

胃の変形および胃辺縁の変形

著者: 熊倉賢二1 成松芳明1

所属機関: 1慶大放射線診断部

ページ範囲:P.382 - P.388

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 胃の変形や胃辺縁の変化についての観察は,病変を側面像としてとらえる立場だといえます(もちろん,胃の変形には胃を全体的にみるといった立場もあります).このように病変を側面像としてとらえる立場は,X線診断では非常に重要なのですが,最近では,どうも軽視されているようです.そこで,今回は胃の変形と胃辺縁の変化を取りあげることにしました.
 胃の変形や胃辺縁の変化が軽視されがちな理由を考えてみますと,第1に内視鏡の進歩に関係がありそうです,内視鏡では病変を正面からとらえます.それでX線所見と内視鏡所見とを比較するとなると,X線でも正面像が要求されるようになります.それに,X線でも二重造影法などで病変を容易に正面像としてあらわせますので,最近では安易な二重造影法一辺倒といった傾向が強まりました.さらに,早期胃癌のような微細病変では,胃の変形はみられませんし,辺縁の変化もおこりにくいのが普通です.胃の変形や胃辺縁の変化がみられるのは潰瘍などの合併病変があるときでしょう.このように,X線でも正面像が重要視されていますが,内視鏡と違って,X線では病変を側面像としてみることができるのが特徴です.したがって,側面像の重要性をもう一度確認しておくことにいたします.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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