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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻4号

1976年04月発行

文献概要

今月の主題 腎不全の病態と治療 代謝面からみた病態

酸塩基平衡

著者: 浦壁重治1 折田義正1 湯浅繁一1

所属機関: 1阪大第1内科

ページ範囲:P.472 - P.473

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腎不全時の酸塩基平衡障害
 通常,生体内では1日50〜100mEqの水素イオン(H+)が代謝によって生じ,これを緩衝するためにHCO3-が消費される.このため腎では糸球体濾過をうけたHCO3-を完全に再吸収し,その喪失を防いでいるが,さらに腎は積極的にH+,NH3を分泌し,上記のH+を処理して消費されたHCO3-を回収,滴定酸(主としてNaH2PO4),アンモニウムイオン(NH4+)の形で50〜100mEqのH+を排泄し,酸塩基平衡を維持している(図1).
 腎病変が進行し,糸球体濾過値(GFR)が25ml/min以下になると,一般に血漿HCO3-濃度が低下し始め,代謝性アシドーシスをきたすようになる.これはGFRの減少により,生体内で産生された硫酸塩,燐酸塩の濾過量が減少し,HCO3-の回収がその分だけ行われなくなるためである.このように,腎不全のアシドーシスは主として糸球体障害によるもので,retention acidosisとも呼ばれ,〔Na+〕-(〔C1-〕+〔HCO3-〕)で求められるanion gapの増加が特徴的である(図2)1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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