icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina13巻4号

1976年04月発行

文献概要

診断基準とその使い方

ベーチェット病診断基準試案

著者: 吉田赳夫1

所属機関: 1福島医大第2内科

ページ範囲:P.534 - P.535

文献購入ページに移動
はじめに
 1937年より1938年にかけて,イスタンブール大学皮膚科教授のHulusi Behçet氏は,3つの症状をそろい持った症候群を報告し,1つの疾患単位とすることを提唱した.これは,口腔内の数個のアフタと,陰部の潰瘍と眼の虹彩炎とから成り,これらが,幾年もの間,くり返し出没し,慢性の経過をとるというのであった.その後,多数の類似症例の報告があり,その異同,分類などにつき議論されたが,その原因は未詳である.ただ,これを1つの疾患として認めてゆくうちに,この症候群を呈するものの中に,同時に内臓諸臓器もまた,侵されるものが多くあることが知られてきた.そして今日では,ベーチェット病とは,全身性の多系統的疾患で,発作性に再発と増悪をくり返し,病理学的には血管病変,血管炎が共通して認められるものである,と考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?