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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻4号

1976年04月発行

文献概要

図解病態のしくみ

肝炎慢性化の機序・2—肝線維化を中心に

著者: 亀谷麒与隆1 丸山勝也1 船津和夫1

所属機関: 1慶大内科

ページ範囲:P.536 - P.537

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 肝炎慢性化の機序につき,前回は,肝炎ウイルスと宿主の免疫能を中心に持続性肝細胞障害の機序につき述べたが,今回は慢性化のもうひとつの要因である肝の線維化,すなわち結合織増生が肝炎慢性化にどのような役割を果たしているかにつき検討してみることとする.
 肝においては瘢痕の形成・線維性隔壁の形成が肝内循環障害を助長し,さらに肝細胞周囲の線維化と,それに伴う類洞の毛細血管への変貌は肝内血流の短絡など肝内微小循環系の異常を惹起して,肝細胞への著しい血流減少とともに血液-肝細胞間の物質交換の阻害を招き,その結果,肝細胞傷害は増悪し,線維化はさらに進行するという一種の悪循環に陥り,肝傷害が進展すると考えられる.このように類洞の毛細血管化,すなわち類洞直下の基底膜の形成は,肝炎の慢性化さらには肝炎の進行の重要な因子と考えられ,したがって基底膜形成の機序を知ることは肝炎慢性化の機序を窺う上に重要である.そこでここでは,実験的ラット肝線維症をモデルとした基底膜形成過程について,基底膜の形成に密接な関係があるcollagen fiberと酸性ムコ多糖の変化をとくに基底膜形成のみられるDisse腔付近において観察した所見と,それらの分解酵素であるlysosome酵素およびcollagenaseの活性の推移とを比較して述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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