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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻4号

1976年04月発行

文献概要

小児と隣接領域

小児期に問題となる重要な尿路系疾患

著者: 大田黒和生1

所属機関: 1国立小児病院泌尿器科

ページ範囲:P.542 - P.543

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反復性尿路感染症
 高熱と膿尿をみた場合,急性腎盂腎炎と診断するが,抗生物質の投与により下熱したにもかかわらず,膿尿改善せず,高熱発作を反覆する時には,徒らに尿中細菌の感性な薬剤を求め,各種抗生物質をくりかえし投与することを止め,尿路系になんらかの異常,ことに,尿のうっ滞,残尿の存在,尿流通過障害の有無を追求すべきである.このような症例の60〜80%に尿路系異常が発見されている事実を思い浮べてほしい,まず,行うべき検査としては,腎膀胱部単純撮影と,静脈性腎盂撮影である.造影剤(0.5〜1.0cc/kg)静注後,3,6,10分の3回撮影し,急速現像でみた結果により,必要に応じ造影剤の再度の静注(片側尿路系のうっ滞ある時),あるいは単に30,60,90分と撮影を続けてゆく.4歳以上であれば30,60分撮影後に排尿せしめ,その直後に再度撮影する.学童男児であれば斜位をとらせ,排出中の撮影を行うこともある.以上により,腎の形態,位置,尿管走行,膀胱形態,逆流現象,残尿の有無,下部尿路通過異常などを知ることが可能である.一番重要なことは腎盂・尿管,または尿管・膀胱移行部の通過障害に基づく水腎症,水腎水尿管症の発見である.早期,ことに1歳前後の乳児期に根治的な形成術が施行されると,腎機能の廃絶を予防せしめることが可能である.10歳以上まで放置されると腎形態の異常と腎機能の低下は不可逆的となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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