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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻5号

1976年05月発行

文献概要

今月の主題 痛みとその対策 本態のはっきりしない痛み

月経痛

著者: 我妻堯1

所属機関: 1国立病院医療センター産婦人科

ページ範囲:P.624 - P.625

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 月経時に起こる下腹痛,腰背痛を月経痛あるいは月経困難症(Dysmenorrhea)とよぶが,主題に示す通り,未だにはっきりとした原因のわからない症例が多い.
 痛みは月経出血の始まる直前に,出血と同時に起こるが,多くの例では乳房緊満感,下肢浮腫感,下腹部不快感,いらいら,抑うつ状態などの前駆症状を経験する.さらに重症例では上記の下腹痛,腰背痛のほかに嘔気,嘔吐,頭痛,全身けん怠感などの全身症状を伴うことが多く,したがって月経困難症とよばれているのである.下腹痛の主体は痙攣様の疼痛で,不規則な子宮収縮に一致して起こり,しばしば凝血塊の排出を伴う.痛みが最も烈しいのは,月経出血開始から12時間位で,時としては24〜36時間続き,徐々に軽減する.ただし痛みが2日目以後も持続する例は比較的少ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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