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私の失敗例・忘れられない患者
"とんでもない医者"
著者: 山田辰一
所属機関:
ページ範囲:P.750 - P.750
文献購入ページに移動 昔のことではあるが,私には昨日のことのように思い出される若い女性の患者がある.
昭和30年頃私は,ある診療所に勤務しながら,自宅で夜間診療をしていた.その頃の冬,私は,彼女が毎夜のように動悸と呼吸困難を訴えるため,往診を頼まれていた.行ってみるととくに異常と思われる所見がみつからない.「心臓ノイローゼです」,私はそう断言して鎮静剤を注射したり投薬したりしていた.しかし,患者は一向によくなったとはいってくれない.そのうちにパッタリ往診を頼んでこなくなった.
昭和30年頃私は,ある診療所に勤務しながら,自宅で夜間診療をしていた.その頃の冬,私は,彼女が毎夜のように動悸と呼吸困難を訴えるため,往診を頼まれていた.行ってみるととくに異常と思われる所見がみつからない.「心臓ノイローゼです」,私はそう断言して鎮静剤を注射したり投薬したりしていた.しかし,患者は一向によくなったとはいってくれない.そのうちにパッタリ往診を頼んでこなくなった.
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