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今月の主題 内科疾患としての先天性代謝異常 高尿酸血症をみたとき
その成り立ち
著者: 有馬正高1
所属機関: 1鳥取大脳神経小児科
ページ範囲:P.938 - P.939
文献購入ページに移動血中の尿酸は,人体内では終末産物であるから尿および便に排泄される.血中尿酸値を定めるものは,生体内での尿酸の合成,体内における蓄積pool,および排泄の量である.これらのなかで,尿酸の合成と排泄のバランスが最も重要であり,そのいずれかの障害で高尿酸または低尿酸血症が認められる.
先天代謝異常に伴う高尿酸血症は長期間の異常が持続した結果あらわれるものであるから,体内の蓄積は平衡状態に達していることが多く,一般に,尿酸Poolはかなり増加している.先天代謝異常症で高尿酸血症を伴うものとして,尿酸合成の亢進によるものが最近注目をあびているが,そのほかに,腎からの排泄障害によるものも存在する.
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