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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻7号

1976年07月発行

文献概要

演習・X線診断学 消化管X線写真による読影のコツ・7

変形からみた十二指腸潰瘍のX線診断

著者: 細井董三1 吉川保雄1

所属機関: 1順大消化器内科

ページ範囲:P.974 - P.980

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 十二指腸潰瘍の存在診断は,胃のX線検査の際の充盈像か二重造影像で球部変形がチェックできさえすればほとんど十分である.これに,球部変形をきたさないものが十数パーセントあることを考慮に入れて,圧迫法を1枚加えておけばいっそう確実である.しかし,性状診断となると,なかなかそう簡単にいかないのが実情ではなかろうか.狭い場所に潰瘍が多発したり,線状にあらわれたり,周囲と癒着を起こしたりしやすいので,幽門輪との聞に,しばしば極めて複雑な変形を起こしてくるからである.田宮,W.Teschendorf,熊倉らの著書に掲げられた十二指腸潰瘍の球部変形の模写図をみても実に多種多彩である子この一見つかみどころのないようにみえる変形のパターンを整理して,そこから変形と潰瘍の形,数,場所,活動性の程度などとの間に,一定のルールを引き出すことはできないだろうか.つまり変形を見ただけで,ここのところに,こういう形の潰瘍があるということがわからないかということである.もし,それがある程度可能ならば,目標がはっきりしてくるので圧迫もしやすいし,十二指腸潰瘍の診断能はずっと向上するはずである.今回はそうした意味で,おもに充盈像を中心に,症例を検討してみたい.それには,まずよい充盈像をとることが診断の第1歩である.
 よい充盈像とは,変形をありのままに正しくあらわしたものを意味する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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