文献詳細
文献概要
今月の主題 知っておきたいリハビリテーションの技術 脳卒中のリハビリテーション
麻痺の回復促進法—ファシリテーション・テクニックを中心にして
著者: 二木立1
所属機関: 1東大リハビリテーション部
ページ範囲:P.1054 - P.1055
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近年,わが国でも,新しい「麻痺の回復促進法」として,ファシリテーション・テクニックが急速に普及しつつある.これは,欧米で1950年代の初期にFay,KabatおよびKnott,Bobath,Brunnstrom,Roodらによって独立に,ほとんど同じ時期に発表された運動療法の新しい技法である.これらの技法に共通する特徴は,筋力増強法を中心とする古典的運動療法理論に対する根本的批判にある,量的変化であるポリオなどの末梢性麻痺と異なり,原始的共同運動という質的変化を含む中枢性麻痺に対して筋力増強法を施行すると,共同運動のみを強め,回復が袋小路に陥ってしまう.現在,広く普及している滑車や固定自転車による訓練もこの危険が大きい.ファシリテーション・テクニックはこのような限界を乗り越えようとして,神経生理学的な法則性をそれぞれのやり方で利用している.
近年,わが国でも,新しい「麻痺の回復促進法」として,ファシリテーション・テクニックが急速に普及しつつある.これは,欧米で1950年代の初期にFay,KabatおよびKnott,Bobath,Brunnstrom,Roodらによって独立に,ほとんど同じ時期に発表された運動療法の新しい技法である.これらの技法に共通する特徴は,筋力増強法を中心とする古典的運動療法理論に対する根本的批判にある,量的変化であるポリオなどの末梢性麻痺と異なり,原始的共同運動という質的変化を含む中枢性麻痺に対して筋力増強法を施行すると,共同運動のみを強め,回復が袋小路に陥ってしまう.現在,広く普及している滑車や固定自転車による訓練もこの危険が大きい.ファシリテーション・テクニックはこのような限界を乗り越えようとして,神経生理学的な法則性をそれぞれのやり方で利用している.
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