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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻8号

1976年08月発行

文献概要

今月の主題 知っておきたいリハビリテーションの技術 脳卒中のリハビリテーション

リスクとその対策

著者: 土肥豊1

所属機関: 1埼玉医大内科

ページ範囲:P.1068 - P.1069

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 脳卒中後の片麻痺患者に対して,失われた四肢の機能回復をはかるために各種の運動訓練を行わせることは,麻痺に陥った四肢に対してはもちろん,患者の全身的なコンディションをととのえるためにも極めて必要なことである.しかしながらその反面,本症患者は極めて多種のリスク要因をかかえていることもまた忘れてはならない重要な事柄である.動脈硬化症,高血圧,あるいはそれに由来する虚血性心疾患,顕性あるいは潜在性心不全,腎機能障害,老人性肺気腫による慢性呼吸機能不全など,いわゆる老年病とよばれるもののさまざまな病態が併有されていたり,あるいは若年者においては,心臓弁膜症その他の基礎疾患を有していることが,むしろ通例だからである.しかも,このような疾患を有する患者に対して,相当程度の身体的負荷を与えることを余儀なくされるところに,本症のリハビリテーションのむずかしさがあり,十分なリスク管理が必要とされる理由もここにある.
 さて,本症のリハ訓練に際して,リスク管理上注意をはらわねばならぬ病態生理学的な異常は,上述のように極めて多彩であり,そのすべてについて述べることは限られた誌面の中ではとても不可能であるので,本項では主として心臓に関連した問題のみをとりあげて述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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