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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻9号

1976年09月発行

文献概要

今月の主題 リンパ組織の基礎と臨床 リンパ球の基礎

リンパ球,形質細胞の免疫グロブリン産生

著者: 濱島義博1 久場川博三2 天野殖2 中島安彬2

所属機関: 1京大第2病理学 2京大第2病理学教室

ページ範囲:P.1198 - P.1201

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免疫グロブリンを産生する細胞
 免疫グロブリンを産生する細胞といえば,形質細胞とリンパ球の両者がその主軸をなすものであるということは,今日すっかり常識となっている,なかでもIgG,IgA,IgEなどの液性抗体グロブリンのほとんどは,ERの著明に発達した形質細胞の胞体の中で豊富な量の存在することが螢光抗体法で明視され(Leducら,1955),その含有していることが産生にもつながるものである.つまり,形質細胞の胞体には,グロブリン蛋白の合成と,ならびに分泌の両者に適したような構造と機能を有するものであるとわれわれは理解している.形質細胞が免疫グロブリンを産生し,分泌するであろうことは,Fagreus(1948)の古典的な主張や天野重安教授のつねに強調してきた歴史的背景があり,それが螢光抗体法の出現によって,極めて明瞭にこの形質細胞抗体産生説を確立せしめたのである.
 一方,この形質細胞とは明らかに細胞の種類の異なったリンパ球の方にも,この免疫グロブリンを産生する能力の存在することが示されているし,今日,抗体産生に関与するのはBリンパ球であって,Tリンパ球はその援助と抑制の調節的役割をなすものであることから,Bリンパ球と機能的区別のなされていることは,医学生でも知っている常識である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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