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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻9号

1976年09月発行

今月の主題 リンパ組織の基礎と臨床

リンパ組織の主な病気

表面マーカーよりみたリンパ性白血病—とくに成人T細胞性白血病について

著者: 内山卓1 佐川公矯1 高月清1 淀井淳司2

所属機関: 1京大第1内科 2京大代謝研

ページ範囲:P.1244 - P.1246

文献概要

 リンパ性白血病は従来から細胞形態学,細胞化学の所見に臨床成績を合わせて,たぶんに経験的な面から分類され,それに基づいて治療,予後の判定が行われてきた.しかし,最近になり,マウスを中心とした実験病理学の分野で,リンパ球が発生,分化,抗原性,表面マーカー,機能の面で異なるT,B2つのsubpopulationに大別されることが明らかとなり,ヒトにおいてもこの成果を踏まえて,各種疾患の本態解明,免疫機構の解析が進んでいる.従来より,その分類に議論の多かったリンパ網内系増殖性疾患においても,これらT,B cell markerを用いて腫瘍細胞の表面形質,機能,起源を分析し,これを基に再分類,臨床所見との対比よりの再検討が行われ,いくつかの新しい知見が報告されている.たとえば悪性リンパ腫ではLukes1),Lennert2)らがT,B cellの腫瘍化の観点より新しい分類を提唱しており,また,Hairy cell leukemia3〜5)やHodgkin cell6)の性格も明らかとなりつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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