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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻1号

1977年01月発行

文献概要

今月の主題 心筋梗塞—今日の問題点 心電図上の問題点

心筋梗塞とまちがえるとき

著者: 太田怜1

所属機関: 1自衛隊中央病院・研究検査部

ページ範囲:P.25 - P.28

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心筋梗塞の心電図上の特徴
 心筋梗塞の心電図上の特徴は,急性期のST上昇,それよりやや遅れてあらわれる異常Q波,慢性期になってみられる冠性Tである.したがって,心筋梗塞とまぎらわしい心電図とは,心筋梗塞でないのに,これらの変化の認められるものは,すべてそうだといえる.上記の変化のほかに,reciprocalな変化としてのST低下や高いRあるいは tall slender Tなどもやはり心筋梗塞とまぎらわしいものとして考えるべきであろうが,これらはむしろ心筋梗塞をみのがしやすい場合として重要と考えられるので,ここでは,主として上の3つの変化について,心筋梗塞とまぎらわしいものを述べることとする.
 ST上昇は,心外膜側の傷害をあらわす所見で,心筋梗塞のときは,これがその直下の心筋の壊死を証明するものとなるが,たとえば心膜炎のように,梗塞以外の原因で,心外膜側が傷害をうけたときも,STは上昇する.また,ST低下のreciprocalな変化としてのST上昇もみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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