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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻1号

1977年01月発行

文献概要

プライマリー・ケアの実際

蘇生法および溺水の治療

著者: 眞栄城優夫1

所属機関: 1沖縄県立中部病院外科

ページ範囲:P.136 - P.139

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 救急蘇生法は,予期できない突然の心停止,呼吸停止による死亡を防止するために行うものである.したがって,癌の末期症例のように,治癒不能で,予め死亡が予想される症例には,その適応はない.すべての病院で,突然死を減少させる努力が必要であるが,蘇生法の適応のない症例の鑑別も考慮しなければならない.
 心停止が起こると,30〜40秒で瞳孔が散大し,アノキシアによる中枢麻痺のため,60秒で呼吸が停止し,常温では,2〜4分で非可逆性の脳障害が出現する.一方,呼吸停止が先行すると,心拍はしだいに減弱しながらも約5分は継続するので,5〜6分は脳障害を起こさない.このように,脳障害を起こすまでの時間は,心停止と呼吸停止のいずれが先行したか,直前の酸素需要の状態,体温などの種々の因子により若干の差が見られるが,蘇生法は瞬時を失せずに開始されなければならない.有効な人工呼吸,心マッサージにもかかわらず,15〜30分以上瞳孔が散大し,対光反射を欠く場合は,脳死を意味する1).散大していた瞳孔が縮小し,対光反射を認める限り,蘇生法を継続すべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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