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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻10号

1977年10月発行

文献概要

今月の主題 高血圧の問題点と最近の治療 高血圧の病態

カテコールアミンと高血圧

著者: 口井正人1 増山善明2

所属機関: 1和歌山医大循環器内科 2和歌山医大内科

ページ範囲:P.1366 - P.1369

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はじめに
 正常の血管収縮は,交感神経末梢からその化学伝達物質であるノルアドレナリン(NA)の遊離により起こることから,高血圧の病因を交感神経系の異常に求めて,多くの研究が古くから行われてきた.しかし,交感神経活性を正しく評価することが困難であり,また対象とした高血圧の病態も一様でなかったことから,その成績は必ずしも一定でなかった.最近,臨床的に血行動態面や体液性因子を中心とした高血圧の病態生理に関する研究が進むとともに,血中カテコールァミン(CA)やdopamine-β-hydroxylase(DBH)活性の測定が行われるようになり,高血圧における交感神経系の役割がこの方面から新たに検討され,注目されている.
 一方・実験面では中枢および末梢におけるCA動態に関する研究の進歩から,各種実験高血圧の昇圧機序にCAの果たす役割が明らかにされつつある.本稿では,本態性高血圧ならびに2,3の実験高血圧におけるCAの役割につき,最近の知見を中心に解説したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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