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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻10号

1977年10月発行

文献概要

天地人

論語知らずの論語よみ

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.1485 - P.1485

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 タキシードを作らされることになった.もちろん並の服より高いが,同時にアクセサリーも違ってくる.靴はエナメルにしなければならないし,ワイシャッやカフス釦も特別なものを用意する必要がある.これは,日本の礼服でも同じことで,このときの袴は,やはり仙台平でないと,さまにならない.礼をつくしているという心意気は,結局形で表すしかないので,所詮は金がかかるのである.
 茶の湯は礼の極致であろう.東洋風の礼があれほど洗練されたものはまたとないかもしれない.だからこそ,多くの人の心をとらえるのであろう.しかし,金のかかる点でも並大抵ではない.まず,四季おりおりの高価な茶器が必要であるし--安物では優雅でないのである--,着物から履物まで,茶の湯のT・P・Oに合わせなければならない.つまり,年に1回も着ないようなものでも,茶の湯の儀式の一朝有事には備えておかねばならぬということになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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