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今月の主題 呼吸不全とその管理 呼吸不全の診断
シャント
著者: 吉田稔1 酒見英昭2
所属機関: 1福岡大・第4内科 2福岡大・内科
ページ範囲:P.1520 - P.1522
文献購入ページに移動混合静脈血は肺毛細管を灌流し,ガス交換の結果,動脈血化され肺静脈系をとおり左心に送られるが,混合静脈血が肺胞気に接触することなく,あるいは接触してもガス交換が不十分なまま動脈血に還流することを肺生理学的シャント(短絡)という.ここでは,解剖学的なシャントanatomical shuntの場合と,機能的に肺胞レベルにおける換気に対し血流側の不均等によって生ずる静脈混合様効果venous admixture-like effectを包含して考えることにする.この場合,必然的に動脈血O2分圧Pa02は低下するが,CO2分圧PaC02に対してはあまり影響を及ぼさない.
この肺生理学的シャントによる呼吸不全を診断するためには,それが他の要因,たとえば肺胞性低換気,拡散障害,換気・血流の不均等分布などによるかどうかを鑑別することも大切であるが,まずシャント量の増加があるか,否かをみる必要がある.また,それがいかなる機序により生ずるかを知っておくことも診断の手助けになる.
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