文献詳細
文献概要
今月の主題 呼吸不全とその管理 呼吸不全の診断
換気・血流の不均等分布
著者: 大塚洋久1 冨田友幸1
所属機関: 1北里大内科
ページ範囲:P.1523 - P.1525
文献購入ページに移動換気・血流の分布異常は最も普遍的にみられる肺機能障害であり,種々の原因による呼吸不全の病態に重要な役割をはたす.呼吸不全における低酸素血症の成立に,より直接関与するのは,換気・血流の分布異常でなく,換気・血流比,すなわち局所的な換気量と血流量の比の不均等分布であるが,それは換気・血流の分布異常の結果にほかならない(図1).CO2分圧が上昇して,一見,単なる低換気とみられる呼吸筋麻痺などの場合にも換気・血流の分布異常が呼吸不全の原因となっている可能性があり,動脈血ガスデータの解釈にあたって注意を要する.低換気によらない低酸素血症を認めたときは,換気・血流の分布異常の関与を疑って鑑別診断を行う必要がある.
掲載誌情報