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今月の主題 呼吸不全とその管理 知っておきたい呼吸不全
特発性呼吸窮迫症候群—成人
著者: 香川輝正1 野々山明1
所属機関: 1関西医大胸部外科
ページ範囲:P.1542 - P.1543
文献購入ページに移動特発性呼吸窮迫症候群(idiopathic respiratory distresssyndrome:IRDS)とは,もともと新生児,とくに未熟児で生下後早期にみられる特異な呼吸病態を名ざした疾患名である.しかし近年,Ashbaugh1)およびPetty2)ら(1967,1971)が肺疾患の既往のない成人で,ショックや外傷などにひき続いて高度の急性呼吸不全を呈し,単純な酸素療法によっては改善されにくい肺病変で,従来ショック肺とかpost-traumatic wet lungとかいわれていたものの病態が前述のIRDSに類似し,かつ同様な呼吸療法が奏効するといった点から,これらを一括してacute respiratory distress in adultsまたはadultrespiratory distress syndrome(ARDS)と名づけて以来,この特発性呼吸窮迫症候群(IRDS)なる呼び名は新生児に限らず,成人例に対しても広く用いられるようになっている.
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