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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻11号

1977年11月発行

文献概要

今月の主題 呼吸不全とその管理 知っておきたい呼吸不全

急性肺性心

著者: 仲田祐12 新田澄郎1

所属機関: 1東北大抗酸研 2東北大外科

ページ範囲:P.1544 - P.1545

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急性肺性心の概念および原因
 肺性心とは肺の機能および,または構造を障害する疾患に基づいて生じた右心肥大をいい,その障害が左心障害あるいは先天性心疾患に基づくものを除くと定義されているが,この病理学に重点を置いた定義にあって,急性肺性心は肺の急激な血行抵抗の上昇に起因する右心負荷症候群という機能的側面が主体となる.
 一般に肺血管床は運動負荷などによる心拍出量の増大時においても,心係数と肺動脈圧は直線関係とはならず,日常活動に十分な予備力を持つ.しかし,各種肺疾患による肺血管床の減少例ではこの圧-流量関係が直線化し,心拍出量の増大がそのまま肺動脈圧の上昇,すなわち肺血行抵抗の増大に連なり右心負荷をもたらす.一方,肺動脈圧の上昇は肺内圧受容体を介して,また右心特性により心拍出量の低下,静脈帰来の減少をもたらす.したがって,一定限度を越える機能的および器質的肺血管床の喪失および高心拍出量はすべて急性肺性心の原因となり得る.とくになんらかの原因によりすでに肺血管床の減少が基底にあった場合には,わずかの侵襲により容易に右心負荷状態となり急性肺性心を惹起する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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