文献詳細
文献概要
今月の主題 呼吸不全とその管理 呼吸不全の治療
薬物療法
著者: 金野公郎1
所属機関: 1東女医大内科
ページ範囲:P.1548 - P.1552
文献購入ページに移動はじめに
呼吸不全の治療目標は,動脈血ガス分圧およびpHの是正(PaO2およびpHの下限あるいはPaCO2の上限に関しても諸説1〜3)があり,急性あるいは慢性の概念にも問題があるが4))という極めて単純なものであるが,しかし呼吸不全を招来する基礎疾患はmultifactorial etiologyを有し,したがって,すべてに共通な治療方針を設定することは極めて困難である.また多くの場合,呼吸不全はemergency careを要し,かつまた表1に示す多彩な臓器あるいは組織系のいずれの機能不全によっても招来され,この点,呼吸不全の早急かつ適切な治療は臨床家にとり治療学のessenceともいえよう.呼吸不全の治療における薬物療法の占める役割は極めて重要で,その適切な投与によりO2療法あるいはventilator useからweaningまで患者の予後を大きく決定するともいえよう.本稿においては,呼吸不全の治療剤として比較的多用される薬剤についてのみ,その作用機序,副作用,一般的投与方法などに焦点を置き解説する.
呼吸不全の治療目標は,動脈血ガス分圧およびpHの是正(PaO2およびpHの下限あるいはPaCO2の上限に関しても諸説1〜3)があり,急性あるいは慢性の概念にも問題があるが4))という極めて単純なものであるが,しかし呼吸不全を招来する基礎疾患はmultifactorial etiologyを有し,したがって,すべてに共通な治療方針を設定することは極めて困難である.また多くの場合,呼吸不全はemergency careを要し,かつまた表1に示す多彩な臓器あるいは組織系のいずれの機能不全によっても招来され,この点,呼吸不全の早急かつ適切な治療は臨床家にとり治療学のessenceともいえよう.呼吸不全の治療における薬物療法の占める役割は極めて重要で,その適切な投与によりO2療法あるいはventilator useからweaningまで患者の予後を大きく決定するともいえよう.本稿においては,呼吸不全の治療剤として比較的多用される薬剤についてのみ,その作用機序,副作用,一般的投与方法などに焦点を置き解説する.
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