icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

私の経験例

消化性潰瘍経過中に発症した慢性骨髄性白血病の一例

著者: 笹村義一1

所属機関: 1金沢鉄道病院保健管理部第2科

ページ範囲:P.1659 - P.1659

文献概要

 最近,消化性潰瘍を合併し,巨大な脾腫を欠く慢性骨髄性白血病症例が注目されている.われわれも消化性潰瘍として治療,経過観察中のところ,慢性骨髄性白血病を併発した一例を経験した.
 患者は42歳男子.家族歴に特記事項なし.既往歴としては昭和45年2月,胃集団検診にて十二指腸球部の変形を指摘された.現病歴では昭和45年10月7日,下血を主訴として入院,消化管レントゲン検査などを施行し十二指腸潰瘍と診断した.入院後経過は順調で,10月27日退院したが,特記すべきは末梢血液所見である.すなわち入院時所見はHb 14.2g/dl,Ht 43%,R 397×104,Thr 24.9×104,W 21,000(M 2,Met 3,St 17,Seg 59,E 0,B 3,M 3,L 13)であり,10月23日においてもなおW9,700(M 2,St 15,Seg 48,E 4,B 3,M 1,L 27)であり,白血球数は減少したとはいえ,やや多く,その分類でも骨髄球が出現していた.当時はこれを出血に対する造血器の反応と考えていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら