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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

臨時増刊特集 診断基準とその使い方

II.呼吸器疾患

喘息

著者: 光井庄太郎1

所属機関: 1岩手医大第3内科

ページ範囲:P.1706 - P.1710

文献概要

はじめに
 典型的な気管支喘息では,胸部の所見は発作的に起こり,発作が消退すれば自然に消失する.発作が頻繁となり,1回の発作も長びくようになると,発作のないときにも胸部に多少の理学的所見をみるようになる.一般に前者を発作型,後者を慢性型というが,その区別をつけかねることもしばしばである.ことに肺・心の続発症を伴ってくると病像は複雑になる.
 気管支喘息発作の際の主症状は気管支の狭窄および閉塞に基づく換気障害で,その程度によっては生命の危険がある.このことは喘息死亡例の死因として窒息の頻度が著しく高いことから推定できる.他方,気管支喘息患者の病歴は多様であり,幼児期にのみ発作のあったもの,以前発作があったが,しばらくなくて再び起こるようになったもの,毎年ほぼ一定時期に発作をみるもの,特定の環境(職業,住居など)と関係あるもの,多少の消長はあるが,連日連夜喘息症状の続くものなどいろいろである.気管支喘息の重症度を生命に対する危険性を目標に規定するとき,発作の重症度(発作の強度)をまず問題にしなければならない.他方,患者一人一人についてみると,発作の程度,頻度を含めて患者自身の重症度も必要である.この場合は経過からみた一定の期間内の重症度が示される.以下,気管支喘息重症度の診断基準を喘息発作の重症度(発作の強度)と患者自身の経過からみた重症度について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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