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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 診断基準とその使い方 II.呼吸器疾患

マイコプラズマ肺炎

著者: 新津泰孝12

所属機関: 1東北大抗酸菌病研究所 2東北大小児科

ページ範囲:P.1728 - P.1731

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概念
 マイコプラズマは,以前はPPLO(pleuropneumonia-like organisms)とよばれ,細菌と異なり,硬い細胞壁がなく,内外の蛋白質と中央の脂質とからなる薄い限界膜に包まれており,したがって細菌の細胞壁合成阻害剤であるペニシリン系,セファロスポリン系には感受性がなく,また柔軟性があることと,DNA,RNA,リボゾームをもち,その大きさは遺伝機構を容れうる最小の形態でパラミクソウイルス程度であることとから,細菌濾過板を通過し,またウィルスと異なり培養基上で増殖が可能で,菌糸状,球状,環状などの多形性を呈し,細菌,ウイルスとは分類の異なる微生物であって,植物,動物,ヒトそれぞれに特定の種が寄生し,種によっては病気を起こす.
 ヒトから分離される8種のマイコプラズマのうち,病原性が確認されているのは肺炎マイコプラズマ(Moycoplasma Pneumoniae)だけで,マイコプラズマ肺炎は肺炎マイコプラズマによる肺炎である.肺炎マイコプラズマは肺炎(原発性異型肺炎)のほか,気管支炎,咽頭炎,鼻炎,鼓膜炎,浸出性肋膜炎などの急性呼吸器感染症を起こし,また発疹,中枢神経系病変,表在リンパ節腫大,そのほか多彩な病像の原因となる.感染によって通例血清抗体価が上昇し,また不顕性感染がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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