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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 診断基準とその使い方 II.呼吸器疾患

肺気腫

著者: 吉良枝郎1

所属機関: 1自治医大呼吸器内科

ページ範囲:P.1738 - P.1741

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概念
 呼吸細気管支または肺胞壁の破壊により,呼吸細気管支より末梢の気腔が異常に拡張した状態が肺気腫である.末梢気腔の拡張の基本型として,細葉あるいは小葉全体に肺胞道および肺胞嚢がほぼ均等に破壊拡大している汎小葉型(panlobulartype),細葉ないし小葉の中心部に気腫性変化がみられ,呼吸細気管支領域に破壊拡大がみられる小葉中心型(centrilobular type),および瘢痕部に隣接したり胸膜などに沿って発生するものを含め不規則に分布する巣状型(focal type)の3つに分類される(山中)1).巣状型は肺機能的にもあまり意義をもちえないとされており,前2者が単独の型で,あるいは両者が混合して,びまん性に病変が分布することにより生ずる病態が肺気腫症である(本間)2).本症に対するこのような病理学的見解は,欧米においてもほぼ一致しているといってよい.
 こうした本症の定義からいっても,肺気腫症という病名は病理学的診断名である.多くの症例の集積により,病理学的には本症の重症度の判定基準は明確にされている.表1は山中の重症度の判定基準で,汎小葉型と小葉中心型をそれぞれ変化の強度および広がりを目安に3度に分け,表のごとく軽度,中等度,高度の肺気腫症が分類されている.山中の重症度と1秒率の間には妥当な相関が存在することも明らかにされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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