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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 診断基準とその使い方 II.呼吸器疾患

Vanishing Tumor

著者: 清水浩1

所属機関: 1日本医大放射線科

ページ範囲:P.1767 - P.1774

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概念
 近年,肺癌の増加が大きくクローズアップされてきた.したがって,胸部X線診断に際して肺癌と紛わしい陰影との鑑別が重要となっている.その一つとして,いわゆる"vanishing tumor of the lung"(消える腫瘤)がある.
 これは1950年Gefterら1)が心不全の症例で葉間腔の限局性胸水貯留陰影が正面X線像で肺腫瘍と類似しており,心不全の治療によって速やかに消失するものを肺腫瘍とまちがえないように"vanishing tumor of the lung"(localized interlobareffusion in congestive heart failure)と表現し,注意を喚起したのが最初で,その後,数多くアメリカの学者の報告をみるようになり,Federら(1956)は"phantom turnor"(まぼろしの腫瘤)という表現を使っている.わが国でも1960年,里吉ら3),が本症の2例を報告して以来,注目されるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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