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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 診断基準とその使い方 IV.肝・胆道・膵疾患

劇症肝炎

著者: 太田康幸1

所属機関: 1愛媛大第3内科

ページ範囲:P.1818 - P.1821

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概念
 1964年,LuckéおよびMallory1)は,第二次世界大戦に際して,戦地で兵士たちのあいだに流行した重篤で劇的な経過をとるウイルス肝炎患者の病理解剖所見について記載した.彼らが観察した196例の剖検例のうち半数以上は発症後10日以内に死亡し,およそ3/4例は3週間以内に死亡しており,このような症例を彼らは流行性肝炎の劇症型と呼び,通常の良性の経過をとる症例と区別することを提案したのである.かつてカタル性黄疸と呼ばれた黄疸患者が,肝生検法の普及と臨床疫学的研究によってウイルス肝炎であることが明らかにされたのは,RoholmおよびIversen2)やNeefeら3)の功績に負うところ大であるが,通常,良性の経過をとる急性ウイルス肝炎に対して,戦地での兵士たちのあいだで流行した超急性の経過をとる肝炎患者の存在は,急性黄色肝萎縮ないし赤色肝萎縮もまたウィルス肝炎の特殊型として,その病因との関連が明らかにされたことで,ウイルス肝炎研究での一時期を画したといえよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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