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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 診断基準とその使い方 IV.肝・胆道・膵疾患

アルコール性肝障害

著者: 山内真義1 木村和夫1 藤沢洌1

所属機関: 1慈恵医大第1内科

ページ範囲:P.1830 - P.1832

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概念
 常習大酒家に認められる,いわゆるアルコール性肝障害は,一般に脂肪肝,アルコール性肝炎および肝硬変症の3つの病態に分類されている.従来より,アルコール性肝硬変の前駆病変としては脂肪肝が重視され,脂肪沈着による二次的な肝細胞の変性壊死が脂肪肝から肝硬変症への橋渡しをすると考えられてきたが,実際には大酒家における脂肪肝の高頻度の発症に比して,アルコール性肝炎ないしは肝硬変の発症頻度は著しく低く,脂肪肝から重症な肝硬変症へ移行する症例はきわめて少ない.したがって,アルコール性肝硬変の前駆病変としては,脂肪肝よりもアルコール性肝炎が重要な役割を果たすことが指摘されている.
 実験的アルコール性肝障害では,低蛋白食あるいは高脂肪食下にアルコールを長期投与すると脂肪肝を確実に発症させることができる1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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