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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 診断基準とその使い方 IV.肝・胆道・膵疾患

特発性門脈圧亢進症

著者: 杉浦光雄1

所属機関: 1東大第2外科

ページ範囲:P.1838 - P.1841

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概念
 門脈圧亢進症は門脈系の血流がなんらかの原因によって阻害され門脈圧亢進状態を呈することによってみられ,種々の臨床症状を総称する症候群名である.厚生省特発性門脈圧亢進症調査研究班で作成した診断の手引き(表1)では,特発性門脈圧亢進症の概念を脾腫,貧血,門脈圧亢進を示し,しかも原因となるべき肝硬変,肝外門脈・肝静脈閉塞,血液疾患,寄生虫症などを証明しえない疾患をいうとしている.診断基準からして特発性門脈圧亢進症と診断された症例の病因分科会における検討では頻度は必ずしも高くはないが,HB抗原,すなわちB型肝炎の関与は事実として認められているおり,なおウイルス性肝炎の関与が不明なもの,あるいは免疫学的機構の関与が多少推定されている症例も時にみられるが,現状では診断の手引きで示された概念から本症が逸脱するものではなく,現在もなおこの診断基準は十分用いられる段階である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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