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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

臨時増刊特集 診断基準とその使い方

IV.肝・胆道・膵疾患

膵炎

著者: 小田正幸1 本間達二1

所属機関: 1信州大第2内科

ページ範囲:P.1851 - P.1853

文献概要

急性膵炎と慢性膵炎
 膵炎はその臨床経過から,急性膵炎と慢性膵炎とに分けられる.1963年マルセーユでの膵炎のシンポジウム1)で,①急性膵炎,②再発性急性膵炎,③慢性再発性膵炎,④慢性膵炎の4つに分類され,現状では一応妥当なものとして採用されている.図のように,症状・膵機能を経過とともに概観することもできるが,ここにみるように,急性の膵炎は可逆性の変化であり,慢性の膵炎は進行性の変化という点が要点である.
 したがって,1回の急性発作のときに「急性膵炎」か,「慢性膵炎」の急性期かを区別することはできない.逆に膵外分泌機能検査をして外分泌機能低下が認められても,「慢性膵炎」か,発作の軽度の「急性膵炎」の膵機能低下時期のものかを区別することもやはりできない.このようなとき,「急性膵炎」か「慢性膵炎」かを区別せず,単に「膵炎」とするのは臨床上やむをえないことであるし,欧米の文献ではしばしば「膵炎」と一括している.そのようなときでも急性発作の寛解時には各種膵検査を施行して,上述の4型のいずれかを診断して経過を観察するのは予後の面からも必要なことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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