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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

臨時増刊特集 診断基準とその使い方

V.内分泌・代謝疾患

尿崩症

著者: 吉田尚1

所属機関: 1自治医大・内分泌代謝科

ページ範囲:P.1886 - P.1888

文献概要

概念
 尿崩症は下垂体後葉からの抗利尿ホルモン,ADH放出の障害により著しい口渇,多飲,多尿を呈している状態である.典型的な尿崩症においては著しい多尿が特徴的であり,1日3,000ml以上,大部分の症例では1日5,000ml以上となる.このような多尿を呈する疾患は尿崩症以外では腎性尿崩症,多飲症,および高Ca血症あるいは低K血症のごく一部の症例に限られる.慢性腎不全など糸球体濾過量の減少する腎疾患では尿の濃縮力が障害されて多尿状態となっても5,000ml/日以上になることはほとんどない.したがって,実際に尿崩症と慢性腎不全が多尿の鑑別という意味で問題になることは少ないが,念のために腎機能を検査する必要はある.糖尿病も口渇,多飲,多尿を呈するが,尿量が糖尿病のみで5,000ml/日以上になることはまずないといってよい.尿比重あるいは尿糖チェックにより容易に鑑別可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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