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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

臨時増刊特集 診断基準とその使い方

VI.神経・筋疾患

一過性脳虚血発作

著者: 大友英一1

所属機関: 1浴風会病院内科

ページ範囲:P.1962 - P.1965

文献概要

一過性脳虚血発作の概念
 一過性脳虚血発作(transient ischemic attack;TIA)は一過性に神経症状が出現するもので,頭蓋内外の脳動脈の粥状硬化と密接な関連を有し,脳梗塞を伴わないものとされている.神経症状の出現が一過性(通常5〜10分が最も多い)であることから,症状出現時医師が現場にいることは少なく,診断には患者の訴えが重要な役割を果たすこと,各種の臨床検査で確実な診断を決める所見に乏しいこと,受診時症状が存在していても確実な診断は症状消失(通常24時間以内)を待ってはじめてなされること,また臨床診断名に「脳梗塞を伴わない」という病理学的事項の枠がはめられていること,とくに脳梗塞への進展が少なくなく,脳梗塞の警戒警報ともいえる点など,臨床上極めて重要なものであるが,問題点も少なくないclinical entityである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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