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臨時増刊特集 診断基準とその使い方 VI.神経・筋疾患
周期性四肢麻痺
著者: 高木昭夫1
所属機関: 1東大神経内科
ページ範囲:P.2001 - P.2003
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本症はその病名から推定されるように,四肢を主体とした弛緩性麻痺が発作性に出現する状態である.本症は遺伝形式,麻痺中の血清カリウム(K)の変動,合併症の有無に基づき数種の病型に分類されている(表1).各症例の診断に際して,的確な病型分類を行うことは治療方針や予防法の決定に極めて重要である.病型分類上のポイントは,①詳細な家族歴の聴取により,家族内発症者の有無を確認する,②甲状腺機能亢進症の有無をチェックする,③自然発作の様子を観察する.ことに血清K値を測定する,④麻痺の誘発試験を慎重に試みるなどの諸点である.本症は決して頻度の高い疾病ではないため見逃されがちである.重要な点は,脱力発作を愁訴とする症例の診断に際して,本症候群を鑑別診断の一つとして忘れないことである.
本症はその病名から推定されるように,四肢を主体とした弛緩性麻痺が発作性に出現する状態である.本症は遺伝形式,麻痺中の血清カリウム(K)の変動,合併症の有無に基づき数種の病型に分類されている(表1).各症例の診断に際して,的確な病型分類を行うことは治療方針や予防法の決定に極めて重要である.病型分類上のポイントは,①詳細な家族歴の聴取により,家族内発症者の有無を確認する,②甲状腺機能亢進症の有無をチェックする,③自然発作の様子を観察する.ことに血清K値を測定する,④麻痺の誘発試験を慎重に試みるなどの諸点である.本症は決して頻度の高い疾病ではないため見逃されがちである.重要な点は,脱力発作を愁訴とする症例の診断に際して,本症候群を鑑別診断の一つとして忘れないことである.
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