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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 診断基準とその使い方 VII.膠原病・免疫・アレルギー疾患

結節性動脈周囲炎

著者: 吉沢久嘉1

所属機関: 1国立相模原病院内科

ページ範囲:P.2032 - P.2034

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概念
 結節性動脈周囲炎periarteritis nodosaは1866年KussmaulおよびMaierによってはじめて紹介されたものである.その特徴として中小動脈の走向に沿った分節的な血管炎による結節をふれ,かつ諸臓器にもかかる病変の存在することが剖検で確かめられて,病理学的にこの名称が与えられた.しかし,その後必ずしも結節のみられぬものもあり,また病理組織学的には動脈周囲のみならず,全層にわたって病変を示すことが明らかとなってからは,むしろ多発性動脈炎polyarteritisと呼称するほうがより妥当と考えられている.さらに最近では,動脈のみならず静脈も含めて,炎症と壊死を伴うすべての血管病変をもつ疾患を一括して広く壊死性血管炎と呼称し,この概念の中で本症を捉えようとする方向にある.
 壊死性血管炎にはまだ十分な分類がなされていない.他の膠原病に伴うものや薬物によるものなど,原因の明らかな,いわば二次的な病変と,原因不詳のものとに大別すれば,本症は後者のカテゴリーに入る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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