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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

臨時増刊特集 診断基準とその使い方

VII.膠原病・免疫・アレルギー疾患

原発性免疫不全症

著者: 河合忠1

所属機関: 1自治医大臨床病理

ページ範囲:P.2052 - P.2055

文献概要

概念
 免疫不全(immunodeficiency)というのは,本来生体が有すべき免疫機構が低下または欠損する病態を総称し,大きく原発性と続発性に分けられる.原発性免疫不全症は原因不明で発病し,多くは先天性に認められる.続発性免疫不全症は悪性リンパ腫,白血病,自己免疫病,骨髄腫,免疫抑制剤の投与,放射線療法などによって二次的に免疫機能がおかされる場合である。
 生体の免疫機構は一応,次の2つの系統に分けて考えられている.すなわち,体液性免疫機構(humoral antibody response)は,形質細胞およびそれに類縁の細胞により合成されるグロブリンによって遂行されるもので,血液およびその他の体液中に抗体が検出される.細胞性免疫機構(cell-mediated immune response)は感作リンパ球によって遂行されるもので,現段階では血清中に抗体様物質が検出されていない.これらの免疫機能に関する知見の進歩は最近めざましく,とくにTリンパ球,Bリンパ球の機能検査ならびにTリンパ球のhelper,supPressor functionなどに関する進歩がめざましい.それが臨床に応用され,原発性免疫不全症の病態の理解にも広く応用されつつある.したがって,原発性免疫不全症の本質は,Tリンパ球およびBリンパ球の機能不全と理解される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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