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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

臨時増刊特集 診断基準とその使い方

VII.膠原病・免疫・アレルギー疾患

サルコイドージス

著者: 泉孝英12

所属機関: 1京大結核胸部疾患研 2京大内科第2

ページ範囲:P.2056 - P.2061

文献概要

概念
 サルコイドージスの第1報はHutchinsonによる皮膚病変の記載(1869)である.病理組織学的には壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫(サルコイド)病変であることは1899年,Boeckによって記載されている.その後,Schaumann(1914)は同様の病変が皮膚だけでなく,全身のリンパ節,肺などにも認められる全身性疾患であることを明らかにした.本症の胸部X線所見を最初に報告したのはKuznitsky,Bittorf(1915)であり,Lofgren(1953)はBHL(bilateral hilar lymphoma syndrome)が本症の初発症状であることを明らかにした.
 第二次大戦前後から,健康診断としての胸部X線撮影が普及するとともに,BHLのみのサルコイドージスが多数発見されるようになった.わが国でも,本症症例の50〜70%は健康診断時に無症状で発見されている.胸部X線写真で発見される症例が多いため,サルコイドージスは主として胸部領域の疾患として取り扱われているが,本質的にはあくまで全身性疾患である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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