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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

文献概要

私の経験例

著明な血沈亢進,CRP陽性を唯一の主訴とした早期腎癌の摘除例

著者: 梅村康順1

所属機関: 1住友病院内科

ページ範囲:P.2101 - P.2101

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 腎癌の症状としてclassic triadである腎腫瘤,血尿,疼痛が有名であるが,これらはいずれも進行した状態での場合に多く,早期のものはasymptomaticで,ほとんどが経過中にたまたま発見されるぐらいで,診断が困難とされる.とくに検尿で異常所見がない場合には,外来でのスクリーニングの段階で除外してしまい見逃しやすい.本例は尿所見にまったく異常を示さず,血沈異常亢進,CRP陽性所見のみを主訴とした早期腎癌の摘除例である.
 患者は60歳の男性.約5カ月前にドック健診を受け,血沈亢進(1時間値105,2時間値135),CRP(++++),RA(⧺),および胆嚢内結石を指摘され精査を受けるようにいわれたが,とくに自覚症状もなかったので放置.転勤になった機会に当院へ精査のため入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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