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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻12号

1977年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 診断基準とその使い方 IX.血液・造血器疾患

特発性血小板減少性紫斑病

著者: 小宮正文1

所属機関: 1筑波大臨床医学系内科

ページ範囲:P.2140 - P.2143

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概念
 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は,これまで原因がはっきり明らかにされていなかった血小板減少性紫斑病を指している.今日では,ITP患者の血小板寿命は0.51±0.43日というように,健康血小板寿命に比べて著しく短縮していることが明らかにされ,血漿中のなんらかの因子が血小板に作用して,その寿命を著しく短くしていることが疾病の主要な病態であることがわかってきた.しかし,血漿中の因子を証明する再現性の高い検査法が確立されていないこと,あるいは血小板寿命が赤血球寿命ほど簡便にルーチンで測定できないこと,などから,今日でも上述した概念が通用している.
 ITPは臨床像からみて,急激に出血症状が発現し,数週間ないし2〜3カ月で回復する急性型と,知らず知らずに発症しており,治療を施さないと軽快しない慢性型の2っの病型がある.しかし,出血症状が盛んな,医師を訪れる時期には,2つの病型の臨床像にほとんど差異がみられないので区別はつけがたい.経過を参照しながら両者を識別しているのが現状のようである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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