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文献概要
臨時増刊特集 診断基準とその使い方 XI.小児の疾患
起立性調節障害
著者: 村上勝美1
所属機関: 1下館市民病院
ページ範囲:P.2160 - P.2162
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幼稚園,小・中学校の児童・生徒の中に,顔色がすぐれない,疲れやすい,朝起きがよくない,朝礼などで立っていると脳貧血を起こすなどの症状を示し,なんとなく覇気がないというものがある.これらの不定愁訴様の微症状を示す小児は,年齢的にはとくに小学校高学年に多く,女児にやや多い.もちろん,それらの小児には心,肺,腎などの器質的疾患は認められない.
このような症状を示すものについて,教科書には,Nelson:orthostatic hypotension,Fanconi:vegetative Dystonie,Opitz:Die chronische Kreislaufregulationsstorungという記載がある.ところがBruckら(1956)はこれらの概念の表現としてDie orthostatische Dysregulation des Kindesと命名し,大国(1958)がわが国に起立性調節障害(OD)として紹介し,やがて研究班が組織され,疫学的,治療学的研究が進められ,さらに概念および診断基準について検討,決定された.しかし,それらについて疾患単位としての明確性を欠く点があり,NCA,自律神経症などとの鑑別についても論議が重ねられた.
幼稚園,小・中学校の児童・生徒の中に,顔色がすぐれない,疲れやすい,朝起きがよくない,朝礼などで立っていると脳貧血を起こすなどの症状を示し,なんとなく覇気がないというものがある.これらの不定愁訴様の微症状を示す小児は,年齢的にはとくに小学校高学年に多く,女児にやや多い.もちろん,それらの小児には心,肺,腎などの器質的疾患は認められない.
このような症状を示すものについて,教科書には,Nelson:orthostatic hypotension,Fanconi:vegetative Dystonie,Opitz:Die chronische Kreislaufregulationsstorungという記載がある.ところがBruckら(1956)はこれらの概念の表現としてDie orthostatische Dysregulation des Kindesと命名し,大国(1958)がわが国に起立性調節障害(OD)として紹介し,やがて研究班が組織され,疫学的,治療学的研究が進められ,さらに概念および診断基準について検討,決定された.しかし,それらについて疾患単位としての明確性を欠く点があり,NCA,自律神経症などとの鑑別についても論議が重ねられた.
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