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文献概要
今月の主題 消化器癌のトピックス 胃癌 残された胃癌—スキルス
X線検査によるRetrospective Study
著者: 三井久三1
所属機関: 1北里大内科
ページ範囲:P.184 - P.185
文献購入ページに移動 臨床医として,胃疾患の診断に従事しているものにとって,初診時のルーチン検査で早期胃癌を見つけ出した時はかなり嬉しいものである.しかし実際の問題としては,この反対のこと,すなわち初診時には異常なし,あるいは良性疾患と診断した患者が次の機会に胃癌,それも進行癌と診断され,前回の診断が誤診であったと考えざるを得ないようなことも起こり得るわけで,このような経験が皆無という医師は少ないのではなかろうか.筆者らもこのような苦い経験を何度か味わいながらも,この経験を自分の診断技術の進歩の糧として,現在でも実際の診断に従事しているのが現状である.
誤診の経験を生かして診断技術を進歩させる方法は,誤診時の検査資料を見なおして,どこにその原因があったかを十分に検討することなのであるが,このことがとりもなおさず個人の単位でのretrospective studyということになるのではなかろうか.このように胃癌患者の前検査資料を見なおす際に,どのような形態の胃癌であってもなんらかの変貌をとげたがためにより診断されやすくなっているのは事実なのであるが,なかでもスキルスはX線所見上の変化が短期間内に極めて著明であるのに気づくことが多いのではなかろうか.
誤診の経験を生かして診断技術を進歩させる方法は,誤診時の検査資料を見なおして,どこにその原因があったかを十分に検討することなのであるが,このことがとりもなおさず個人の単位でのretrospective studyということになるのではなかろうか.このように胃癌患者の前検査資料を見なおす際に,どのような形態の胃癌であってもなんらかの変貌をとげたがためにより診断されやすくなっているのは事実なのであるが,なかでもスキルスはX線所見上の変化が短期間内に極めて著明であるのに気づくことが多いのではなかろうか.
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