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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻2号

1977年02月発行

文献概要

今月の主題 消化器癌のトピックス 消化器癌の諸問題

ホルモン産生性腫瘍

著者: 戸部隆吉1

所属機関: 1京大第2外科

ページ範囲:P.206 - P.207

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消化管における内分泌活性物質
 ヒトをはじめ哺乳動物の消化管には,自律神経による分泌と運動の調節と同時に,自律神経と協調しつつ,あるいはまったく独自に,分泌と運動に強力な生理作用をもった活性物質が存在することが知られている.その最初の報告は,BaylissとStarling(1902)によるsecretinである.
 現時点で,消化管に存在する内分泌活性物質として,膵臓ホルモン(グルカゴン,インスリン)以外に,表1に示すように,①胃腸管粘膜から単離,抽出され,化学構造も決定され,その存在が確実であるポリペプタイドとしてgastrin,secretin,CCK・pancreozymin,gastric inhibitory polypeptide(GIP),vasoactive intestinal polypeptide(VIP)の6種,②未だ単離,抽出されず,したがって,その構造式も生理作用も未だ不明ではあるが,消化管ホルモンとして存在するであろうことが推定されている物質として,enterogastrone,enteroglucagonをはじめ数種の物質があげられている.とくにenteroglucagonは膵glucagonとの共通免疫交叉性を利用して,その分布と存在はほぼ確実に推定されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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