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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻2号

1977年02月発行

文献概要

今月の主題 消化器癌のトピックス 消化器癌の諸問題

α-フェトプロテイン

著者: 遠藤康夫1

所属機関: 1東大第1内科

ページ範囲:P.208 - P.209

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α-フェトプロテインについて
 α-フェトプロテイン(以下AFPと省略)とは電気泳動上α-グロブリン位に泳動される胎児性蛋白の意であって,胎生期に特有であり,健康成人血中には通常証明されない.ヒトの胎児にAFPの存在を認めたのはBergstrandらである.濾紙電気泳動法による胎児血清と母体血清の比較検討の際,アルブミンとα1-グロブリンの間に,胎児にのみ特有な血清成分の存在することを認めsubstance Xと呼んだ.これが今日のAFPである.Gitlinによると,この血清蛋白は胎生の6週ごろより胎児血中に出現し,13週ごろ血中濃度は最高となり300mg/dl前後に達する.胎生20週ごろより減少し始め,通常出産のころ(胎生40週前後)にはごくわずかとなり,二重拡散法レベルでは出生後1週間で検出できなくなる.
 胎児に特有であって成人血中には通常存在しないAFPが,病的状態で再出現してくる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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