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文献詳細

雑誌文献

medicina14巻2号

1977年02月発行

今月の主題 消化器癌のトピックス

消化器癌の諸問題

CEA

著者: 北尾洋子1 佐々木宏晃1 竹内正1

所属機関: 1東女医大消化器内科

ページ範囲:P.210 - P.211

文献概要

 CEA(carcinoembryonic antigen)の研究は,1965年,GoldとFreedmanが大腸癌抽出液と反応し,正常大腸組織抽出液とは反応しない抗血清を作製したことに始まる1).ついで彼らは,その抗血清に対応する抗原が内胚葉性の癌,ことに大腸癌,胃癌,膵癌患者の血清中に検出されることを認め,さらに胎生2〜6ヵ月の胎児消化管,肝,膵にも検出されることを見出し,CEAと命名した2).以来,消化器癌の免疫学的診断法として実用化されつつあるが,同じ頃に注目を集め始めたAFP(α1-fetoprotein)に比して,十分な物理化学的解析は未だなされていない.現在のところ,CEAは分子量約20万の糖蛋白で,その約半分が糖成分より成り,pH7〜8.6の条件下では電気泳動上βグロブリンの位置に出現し,沈降係数は約6.9S〜8.1Sであることが知られ,蛋白成分のアミノ酸配列は大方の一致をみているが,糖成分については必ずしも安定した成績を得ていない.したがって,CEAを定義するならば,「大腸癌またはその肝転移組織1.0M過塩素酸抽出液をもって動物を免疫し,得られた抗血清を大腸,肺などの正常組織過塩素酸抽出液で吸収して作製した抗血清と反応する物質3)」という毅階にある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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